2016年3月17日木曜日
シナリオについて。
今回は映像作品の骨組みとなる「シナリオ」のことを考えていきたいと思います。
映画の出来は、7割がシナリオによるものだと昔聞いたことがあります。
いくら美しい映像や、役者のいい芝居が撮れたとしても、シナリオが安直なものだったら、すべてが台無しになります。そのような作品が評価されたり、たくさんの人に観てもらえる機会を得ることは難しいでしょう。
しかし、いきなりがむしゃらに書いて良いシナリオが出来上がることはそうそうありません。では、生まれ持ったセンスのある人にしか書けないのか。と悩んでいる方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
センスとは、生まれ持つものではありません。学んだり感じたりして磨いていくものです。本気でやりさえすれば、学歴だって全く問題ではありません。我々が挑戦しようとしているのは、そんな芸術の分野なんです。
何事にも基礎はあります。それは芸術の分野だって同じです。基礎を怠って自己流を追求したところで良い作品は生まれません。まずは、シナリオ作りの基礎をしっかりと理解した上で、自分なりの作風を追求してください。
これからシナリオを勉強する方のために、その基礎となる。シナリオの作法を、これから数回に分けて紹介していきたいと思います。
アイディアについて
前にも、言ったことがあるかもしれませんが、映像のシナリオはアイディア勝負なところがあります。他人が簡単に考えられないようなことを思いついてこそ、他人から関心を持ってもらえるのです。
……しかし、他人に思いつかないような発想が、自分にだけ簡単に思いつくはずもありません。
そのためには日頃から、日常で交わされる何気ない会話を意識して聞いてみたり、道行く人々を観察したりしてみてください。そして、そんな中で浮かんできた発想を、忘れないようにメモ帳に書き留めてください。
僕自身、そんなアイディアノートをいつも何冊も持ち歩いています。そして、暇な時間にそれをパラパラっとめくっていきます。その中身は、たいていしょうもない内容で、書いたときには"絶対に面白い"と思っていても、数日後、改めて見てみると"なんだこれ、全然面白くないじゃん!"となることが殆どです。そうやってメモした数百のアイディアのうち、絶対に面白いと思えるシナリオを一つ選び、脚本にしていくのです。
面白かった事象。他の人に伝えたい想い。恐ろしいなと思った事件のニュース。などなど……。
なんでもいいんです。そんな事象の中から、今度は自分が伝えたいと思うテーマを探します。映画やドラマ、ドキュメンタリーなどジャンルにかかわらず、ほとんどすべての映像作品にはテーマが存在します。
そして、そのテーマが破綻すれば、作品はつまらないものになってしまいます。
まずは、自分が伝えたいテーマをたくさん考えて、その中から自分が一番作品にしたいと、創作意欲をかき立てるものを探しましょう。
2016年3月16日水曜日
映像制作に必要なもの。その3、三脚
動画を撮影するのに、カメラを固定する三脚は欠かせません。
皆さんは三脚に、写真用の「カメラ三脚」と動画用の「ビデオ三脚」の2種類が存在することをご存知でしょうか?
今回は、映像撮影に欠かせないビデオ三脚を考察していきたいと思います。
映像向けの三脚の違い
写真用の三脚と動画用の三脚の違いは、主にカメラを任意の向きに固定するための「雲台」にあります。
カメラ三脚(写真用)の雲台は「カメラを固定すること」を目的としているため、しっかりと固定する事は出来ても、カメラをパン(左右に振る)する事や、ティルト(上下に動かす)することには適しておりません。その代わり、ビデオ三脚よりも比較的軽量で機動性に優れ、カメラを縦に構える「縦位置撮影」をする事もできます。
一方、ビデオ三脚は「動きを撮る」ことを想定しているので、雲台にスプリングの反発力や油圧などでの抵抗力が備えられているので、カメラをブレずにゆっくりと動かすことができます。また、しっかりとした長い「パン棒」が付いているので、操作もしやすくなっています。
このようにカメラをブレずに動かすことが、動画撮影での最低条件になります。
それでは実際にどの三脚にするか、なんですが……
このビデオ三脚、意外といい値段します。
ザハトラーとか、プロがよく使っているメーカーの三脚は、雲台だけで15万とかします。(笑)
個人でいきなりこのレベルのを買うのはちょっと大変だなあと思い、他にも色々探して、僕が購入したのはこれです。
Libec TH-650HD 小型三脚システム
最大搭載重量:3kg
最大開脚伸長:150cm
標準価格(税抜):26,000円
僕は、BMPCCにリグを装着したものをこの三脚で運用しているんですが、かなりスムーズで、特に不自由したことはないです。
これまではカメラ用三脚などを使っていたこともあり、かなり快適に感じました。
メーカーはエントリーモデルと謳っていて、確かに最初の三脚としては十分だと思います!
Libecで他にも面白いなあと思ったのが、
Libec ALLEX S KIT
最大搭載重量:3kg
最大開脚伸長:164.5cm
標準価格(税抜):105,000円
こちらはスライダーキッドです。これを使えば、一般人ではなかなか撮れない映像を撮ることが出来るかもしれません。スライダー付きでこの値段はなかなか安いと思うのですが、バラでも売っているので、とりあえずALLEXの三脚だけを購入しておいて、慣れてきて欲しくなったら、後からスライダーを買うでもいいかもしれませんね。
お金に余裕のある人は、リーベックのプロモデルや、ザハトラー、マンフロット、ヴィンテンなどのプロ御用達メーカーも見てみるといいかもしれません。
選ぶときのポイントとしては、最大搭載重量をきちんと見ておくことです。一眼レフやブラマジなどのデジタルシネマカメラで動画を撮影することを考えている人は、後々、カメラリグ(撮影のサポートのためにカメラに装着するパーツ)を装着することを視野に入れた上で、余裕を持って三脚選びをしましょう。
三脚は動画を撮影するのに、なくてはならないものです。ぜひ、検討してみてください。
2016年3月15日火曜日
FCPXでの編集。[書き出し編]
長い道のりでしたが、ついに動画が完成しました!!
やったー!!と、達成感に浸りたいところですが、家に帰るまでが遠足、書き出しするまでが編集です。(笑)
きちんと最後までやり遂げましょう。
8.動画の書き出し
書き出しする先は、用途やクライアントに合わせて、DVDやBDだったり、データでの受け渡しだったりいろいろありますが、ここではひとまずそれらの原版となる「マスター」の作成をします。
動画を書き出すには、ツールバーで一番右端の「共有ボタン」をクリックします。

すると、このようなポップアップメニューが表示されるので、この中から「マスター(デフォルト)」を選択してクリックします。
すると、共有ウインドウが表示されるので、

設定を確認します。

この時ビデオコーデックは、今回はソースで品質の高い「Apple ProRes 422」の設定のまま書き出しますが、これは用途に合わせて変更します。
インターネットでの受け渡しを考えている場合は、環境によっては圧縮率の高い「H.264」などでないと上手く送ることができない可能性もあります。
確認できたら「次へ」をクリックして、任意の書き出し先を指定。

これが出てきたら完成です!!
動画を再生して、正常に書き出しされているか確認してみてください。確認作業は非常に重要です。もしこれがクライアントからの依頼だった場合、万が一があったら、信用に関わりますので、確認は怠らないようにしましょう。
次にDVDやBlu-rayディスクを作成する場合、
PCに空のディスクを入れます。DVD差し込み口がない機種の場合は、外部デバイスを接続して入れます。
先ほどの、共有ポップアップメニューから「DVD」を選択します。Blu-rayの場合は標準ではここに表示されていないので、「出力先を追加」の項目から「Blu-ray」を選択します。
設定の画面を開き、出力デバイスを確認します。外付けのデバイスを使用している人は、それを指定します。

これで、「次へ」を押せば、DVDやBlu-rayを焼くことができます。
DVDやBlu-rayは、パソコン以外の再生機器で再生して確認をします。
これで本当にFCPXでの編集が完了しました。
長い道のりでしたが、こうやって時間をかけて編集した作品は、どれも愛着が湧いてくると思います。
余談ですが、いつも編集した動画をパソコンに入れていると、パソコンの容量なんてすぐにパンクしてしまいます。パソコンの動作を軽くするためにも、作成した作品やプロジェクトは外付けハードディスクなどに保存してパソコンからは消してしまいましょう。
今回解説したのは本当に必要最低限のFCPXでの動画編集のやり方ですので、FCPXやその周辺ソフトなどを使った小技とかは、また後日更新していきたいと思っています。
ともかく、最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも、動画編集や、映像制作関連の様々な情報を共有していきたいと思っておりますので、今後ともふっくんをどうぞよろしくお願い致します。
2016年3月14日月曜日
FCPXでの編集。[サウンド編Part3]
さて、長かったサウンド編も今回で最終回です。
僕自身も、サウンド編集の説明がこんなに長くなるとは思いませんでした。それだけ音というものが作品において重要だということです。
それでは最後に、音楽の挿入方法を解説していきます。
音声も、映像素材と同じように読み込みの部分から、ファイルを選択して読み込むことができます。その場合、映像素材と同じところに音楽ファイルが入ります。
しかし、今回は、FCPXに元から入っているフリー素材を使って編集してみようと思います。
まず編集画面中央のライン右側にある、音符のマークをクリックします。

すると、このようにミュージックとサウンドという、データ一覧が表示されます。この中に「Final Cut Pro Sound Effects」というのが標準で入っています。その他にも「iLife Sound Effects]や、「iMovie Sound Effects」などが入っていると思います。
これらはすべて、FCPXを使って動画を作る限り著作権フリー音源になるので、作品に自由に盛り込むことができます。
一つ一つ再生していくと面白いのが、本当に種類が豊富なことです。人の足音のSEから、学校や山奥などの環境音、雨風の音や表彰式の音楽まで、ありとあらゆる音源が揃っています!
これだけで、SE全部揃っちゃうんじゃないかと思う勢いです。
だけど、こればっかりに頼るのはやめましょう。(笑)
効果音も、映像と同じように自分の足で録りに行ったり、試行錯誤して出したりすることによって、厚みが出てきます。普段、これを使うのはあくまで最後の手段として考えておきましょう。
使いたい音源が見つかったら、それをドラッグしてタイムラインに置きます。

僕は、「Park Bench」という曲を持ってきました。しかし、このままでは長すぎるので……

三つ目のクリップが始まるタイミングで切って、さらに音が入れ替わるようにフェードアウトをかけました。
このように、音楽を入れる場合は曲の始まるタイミングや終わり方、フェードアウトやフェードインなども考えていくと、どんどん良くなってきます。
効果音も同様に、タイミングを吟味してはめていきます。
その後、音楽や効果音を重ねた分だけ音量が大きくなっているので、音が割れないように音量レベルをもう一度調整します。セリフや、人の声などが音楽でかき消されていないかなども確認します。
あとは、全部センスと慣れです!
普通、映画の編集などでは編集マンが動画を編集した後に、音声専門の方が整音やミキシングの作業をします。それだけ、音の編集というものは難しいです。
だけど、個人の映像制作者にとっては、これをきちんとできるかどうかで、作品の質がびっくりするくらい向上します。
ぜひサウンドの編集には、映像の編集と同じかそれ以上時間をかけて取り組んでみてください。
2016年3月13日日曜日
FCPXでの編集。[サウンド編Part2]
それでは、サウンドの編集をしていきます。
クリップ全体の音量を変えるには、タイムライン上のクリップの音量コントロールのラインを上下にドラッグします。

FCPXでは+−12dBまで変えることができます。
音量を上げていくと……

波形が赤くなってしまいました。この状態で再生すると、オーディオメーターの方もふりきって赤くなります。これでは音が割れてノイズが発生してしまっています。
このメーターが赤くならないように気をつけながら、すべてのクリップの音量レベルを平均的に合わせる、整音をしていきましょう。
しかし、「迫力を出すのに、ここの音量はもっと上げないといけないんだ!」という場合もあると思います。そのためのコツとしては、通常の音量のレベルを若干低めに設定します。
音量は、再生する機器やその設定によって変わるものです。編集の際は、小さい部分と大きい部分の高低差で表現をします。あえてノイズを発生させたいというようなことがなければ、極力メーターが赤くならないようにしましょう。
次に、画と音をずらす編集です。
映画やドラマなどでは、必ずと言っていいほどほとんどの作品にこの手法は使われています。ぜひ一度、意識してテレビなんかを見てみてください。ドキュメンタリーや、PVなどでもこれを使うことで格段にレベルが上がります。
個人的にですが、これをやる時はアピアランスを元の表示に戻したほうが、見やすいかもしれません。
まず、クリップの音声の部分をダブルクリック、もしくは右クリックをして、「オーディオ/ビデオを展開」をクリックします。

するとこのように画と音が分離されますので、この状態で映像の時と同じように音だけを編集します。

今回は、後続のクリップの音を伸ばして、その分手前のクリップの音を削りました。こうすることによって、手前のカットの映像の余韻を残した状態で、次のクリップのピアノの音が入ってきます。
このように、映像より先に音を切り替えるのを音のズリ上げ。
それとは逆に、映像より後に音が切り替わるのを音のズリ下げと呼びます。
しかし、このままではピアノの音が突然入ってきて、びっくりしてしまいます。
そこで!!
音量のフェードイン、フェードアウトをします。
やり方は簡単。音声の部分にカーソルを合わせると、左右の上のほうにフェードハンドルという丸い玉が出てきます。これを左右にドラッグすることで、音量のフェードイン、フェードアウトができます。

また、フェードハンドルを右クリックすることで、フェードの形を選択することができます。

S字カーブをクリック。

これで、動画本体のサウンドの編集が完了しました。
次回は、効果音や音楽を入れて、それをミキシングしていきます。
2016年3月12日土曜日
FCPXでの編集。[サウンド編Part1]
映像の編集が完了したら、次はサウンドの編集です。
映像は、画と音が合わさって初めて作品になります。(一部サイレント映画などを除き)
僕は以前、ある映画で、画だけが完成していてサウンドの編集がされていないものと、きちんと整音され効果音などをつけた後のものとを見比べさせてただいたことがあるのですが、「本当にこれが同じ作品?!」って思うくらい別物になってました。
それだけ、映像作品に音は重要な要素なんです。映像ばっかり本気で編集して、音はテキトーになりがちですが、音こそ、一番本気を出して編集しましょう!
7.サウンド編集
編集を始める前にFCPXの画面を音の編集用に設定しておくと便利です。
まず、オーディオメーターを表示します。
編集画面の中央にあるダッシュボード(秒数とか書いてあるやつ)の右端に縦長のバーみたいなのが2本並んでいます。これをオーディオメーターと言います。
音の編集をするときには、これではちっちゃくて見にくいのでこれをクリック。

すると、タイムラインの右端にこれの大きいバージョンが現れます!

整音は基本的にこのオーディオメーターを確認しながらやっていくことになります。「俺は自分の耳しか信用しないんだ!」って人もいるかもしれませんが、使っているスピーカーやヘッドホンによって聞こえ方は変わってきてしまうので、必ずこういったメーターを確認しながら音声のレベルを合わせていくようにしましょう。(笑)
次にクリップのアピアランスを変更します。
タイムラインの右下、端っこにこじんまりとたたずんでいる、吹き出し?のような形のボタンを押します。

すると、クリップのアピアランスというのが表示されるので、左側の方にあるやつを選択します。僕はサウンドの編集をするときは一番左のにしてます。

これで、タイムライン上のクリップの映像が表示されなくなり、代わりに音の波形が大きく表示されました。これでサウンドの編集がかなりやりやすくなります!
それでは次回、実際にサウンドを編集していきます。
2016年3月11日金曜日
FCPXでの編集。[文字の作成]
基本的な編集が終わったら、仕上げにタイトル文字の合成をしていきましょう。
6.文字の作成
文字を作成するには、編集画面中央のライン右側にある「タイトルボタン」をクリックします。するとタイムラインの右端にタイトルブラウザが現れます。

この中から使いたい項目を選択して、タイムラインにドラッグします。僕は「基本タイトル」を選択しました。

タイムラインにこれを持っていくと、ビューアに「タイトル」という文字が表示されました!
タイムライン上でこれの長さを変えることで、映像クリップと同じように、タイトルが表示される継続時間を変えることができます。
続いて、インスペクタを表示して、文字の入力や調整をします。
タイトルを選択ツールで選択し、ツールバーの「インスペクタ」ボタンを押します。

すると、このように編集画面右上にインスペクタが表示されますので、一番上の欄からテキストをクリックします。

ここで文字を入力します。
しかし、このままでは背景と同化してしまって見にくいので、

アウトラインを設定しました。文字の大きさや太さ、文字間隔、アウトラインの色や線の太さなど、文字の見た目に関するあらゆる設定もここで行なうことができます。
タイトルの位置は、タイムライン上のタイトルを選択した状態で、ビューアに表示されている文字をドラッグすることで移動させることができます。この時に、ビューアのポップアップメニューから、「タイトル/アクションのセーフゾーンを表示」の設定をしておくと便利です。(ビューア右上の表示と書いてある部分)
できるだけこのセーフゾーンの外にはみ出さない位置にタイトルを設置します。

これでタイトルの文字を作成することができました。
今回は使用しませんが、長編の作品だったり複数人で作品を共同制作した場合には、エンドクレジットを追加しましょう。
これも同様に、タイトルブラウザの中から「クレジット」→「スクロール」などを選択します。これを作品の終わりにドラッグして持っていきます。

これであとは、インスペクタ上で文字を入力していくだけです。
こうしてやってみるとわかるように、タイトル合成などの難しい作業も「Final Cut Pro X」ではシンプルに、非常に簡単に行うことができます。
映像制作が誰にでも、個人でもできてしまう時代がやってきたということです。映像の仕事を志す人は、それだけライバルが増えてくると思いますので、自分なりの表現方法を編み出して他の人と差をつけられるように努力しましょう。
基本的にはタイトルブラウザに入っている素材を使って文字をはめていくことになりますが、「もっと自分なりの文字を作成したい!」という方もいると思います。
そういった場合には、「Motion」や「After Effects」などの合成ソフトを別途で購入し、必要に応じて使い分けていきましょう。僕はファイナルカットとの互換性の強い「Motion5」を、VFXの合成などに使っています。
さて、これで映像の編集は全て終わりました!
映像はこれでロック(もういじらないこと)して、次回は音の編集に入っていきたいと思います。
2016年3月10日木曜日
FCPXでの編集。[トランジション]
続いてクリップにトランジションを追加していきたいと思います。
トランジションとは、画面転換のときに使われる効果のことです。テレビとかを見ていると、カットが切り替わる時にすぐぱっと変わる時もあれば、前のカットに重ねてじわーっと切り変わる時などがあると思います。これを使うことによって、シーンの場面転換や、時間の経過なども表現することができます。
5.トランジションの追加
まず、編集画面中央のライン右側の方にあるトランジションボタンをクリックします。
すると、タイムラインの右側に、このように使用できるトランジションの一覧が表示されます。

この中から使いたい効果を選択して、トランジションを加えたいクリップの間の編集点にドラッグして持っていくと、

トランジションを追加することができました!
また、よく使われるクロスディゾルブなんかは、ショートカットキーでも追加することができます。その場合は、選択ツールでクリップ間の編集点をクリックして選択。その状態で「編集」→「クロスディゾルブを追加」をクリック。もしくは「command」+「T」でクロスディゾルブが追加されます。
トランジションを使うことで、一気に映像がそれらしくなります。
……ただし、簡単にそれらしくなるからといって、多用しすぎるともの凄くうっとうしい映像になってしまうので、それだけは注意です。

……。
どんなツールも、効果的な場面を見極めて使うようにしましょう。
2016年3月9日水曜日
FCPXでの編集。[トリム編集]
前回の記事では、素材を大雑把にカットして、タイムラインに並べました。
今回は、それらのクリップの編集ポイントを細かく調整していきたいと思います。
4.トリム編集
実は前回のブログでさらっと紹介してしまったのですが、おさらいしていきます。
タイムラインのクリップの端っこにカーソルを合わせると、

マウスがこんな感じの、トリムツールのマークに変わります。
この状態で、クリックをしながら前後に動かすと……

短くなりました!
こんな感じで、簡単にイン点、アウト点を変更することができます。これをリップル編集と言います。
また、上の画像では手前の動画が短くなるのに合わせて、後続のクリップが引っ張られてくっついてきています。これがFCPXから導入されたマグネティックタイムラインの能力です!(笑)
FCP7の時は間に空白が空いちゃって、いちいち空白を削除するのが非常に面倒でした。しかも、価格は10万円以上したそうなので、進化版のFCPXが3万前後で購入できちゃうという現代の技術力の進歩は恐ろしいですね。
さて、上記のやり方ではクリップのイン点、アウト点を交互に調整していくわけなのですが、前後のクリップの尺(長さ)を変えずに同時に編集点を変更する方法もあります。
これをロール編集と言います。
まず、ツールポップアップメニューからトリムを選択、もしくはショートカットキー「T」を押して、マウスをトリムツールに変えます。

マウスがこのマークに変わったら、カーソルを二つのクリップの編集点に合わせて、クリックしながら動かすと……

このように、二つのクリップの全体の尺は変えずに編集点だけを前後させることができます。
さらに!
トリムツールには他にも技があります。
スリップ編集とスライド編集です。
まず、先ほどと同じようにトリムツールを選択しておきます。
そしてスリップ編集をしたいクリップの真ん中にカーソルを合わせて、

マウスをクリックしながら動かすと……

一つのクリップの尺を変えずに、イン点アウト点をずらすことができます。
これをスリップ編集と呼びます。
最後にスライド編集。
「option」キーを押しながら、スライドさせたいクリップを選択します。

これをドラッグすると……

選択したクリップの尺は変えずに、前後のクリップのイン点、アウト点を変更し、選択したクリップをスライドさせることができます。
これらのツールを駆使して、編集ポイントのタイミングを精密に決めていきます。
映画などになると、ほんの0.1秒の差でカットが繋がらなかったり、印象が変わってしまうということもよくあります。そんな精密な編集が必要な時は、マウスだけで操作せず、方向キーの左右を使って、ワンフレームごとに再生ヘッドを動かして編集していきましょう。

いかがでしたか?
トリムツールだけでもこれだけ色々な操作ができます。
これらを直感的に使いこなせるようになれば、編集技術が格段に上がることでしょう。
僕もこの記事を書くまで、スライド編集の存在とか忘れてました。(笑)
直感でこれらを使えるようになるには、練習あるのみだと思います。
スポーツとかと同じように、何事にも練習が必要です。
ツールの良さを生かした編集をして、作業効率を上げていきましょう。
2016年3月8日火曜日
FCPXでの編集。[カット編集]
準備が整ったので、いよいよ編集をしていきます。
3.カット編集

まず画面上部分の素材クリップ一覧から使いたい素材を選択します。
これは再生ボタンをクリックするか、選択してスペースキーを押すことで再生することができます。
このデータをこのまま、前回作成した画面下部分のタイムラインにドラッグすれば、編集することができます。
また、素材クリップ上で使いたい範囲を選択し、「Iキー」を押してイン点(使い始めの地点)を設定、その後「Oキー」でアウト点(終わりの地点)を設定すれば、使用する動画の範囲をあらかじめ設定してから、タイムラインに落とすこともできます。

イン点とアウト点を設定したら、その範囲が黄色い枠で囲まれます。
編集が長くなる場合は、長い動画をそのままタイムラインに落とさずに、大雑把な使用範囲をここで先に設定した状態でタイムラインに落とし、その後タイムライン上で細かい編集をしていくようにすると、作業が効率的になります。
タイムライン上にドラッグすると、

このようになります。
こんな感じでいくつかの動画をつなぎ合わせていけば、一つの作品を作ることができます。
ちなみにこの写真で使われている動画素材は解説のために自宅で適当に撮ったものなので、気にしないでください。(笑)

まずは素材をこのように大雑把に順番どおり並べていきます。
これでカット編集完了です。
並べ終わったら、次回ここから編集を始めていきましょう。
一度、タイムラインに置いた動画をカットするには、トリムツールやブレードツールを使います。
クリップの端っこにマウスを合わせるとトリム(クリップのカット点を動かす)編集できる状態にカーソルが変わります。その状態でクリックをしながらマウスを動かすと、クリップの長さを変えることができます。
キーボードの「B」を押すと、マウスをブレードツールに変更することができ、カミソリのようなカーソルに変わります。この状態でクリップをクリックすると、その部分で半分に切れ、クリップが二つに分かれます。
二つになったら、キーボードの「A」を押し、マウスを元の矢印に戻します。そして、別れたクリップのいらない方をクリックで選択し、「delete」キーを押せば消えます。
タイムライン上でクリップを消しても、左上の素材の方には残っているので、一度消しても、もう一度戻すことが可能です。また、間違えて消しちゃった場合には「command」+「Z」キーを同時押しして、直前に戻しましょう。
また、画面中央のライン上にあるマウスのマークをクリックすることで、ツールを選択することもできます。
このバーをツールポップアップメニューと呼びます。

これらの操作は、習うよりも自分でいじって感覚を身に付けるのが一番早いです。
なので、たくさん動画を撮ってたくさん編集してみましょう!
ここまで書いた後で言うのもなんですが、とりあえずは自分でテキトーに編集してみて、わからないことや疑問に思ったことにつまずいた時に、こういったサイトや本などで確認していけばいいんです。
基本の操作方法を覚えたら、使い方は最終的に人それぞれになると思います。
自分なりの手法をあみだして、自分なりの作品を作ってみましょう。
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