2016年3月17日木曜日

シナリオについて。


今回は映像作品の骨組みとなる「シナリオ」のことを考えていきたいと思います。


映画の出来は、7割がシナリオによるものだと昔聞いたことがあります。

いくら美しい映像や、役者のいい芝居が撮れたとしても、シナリオが安直なものだったら、すべてが台無しになります。そのような作品が評価されたり、たくさんの人に観てもらえる機会を得ることは難しいでしょう。


しかし、いきなりがむしゃらに書いて良いシナリオが出来上がることはそうそうありません。では、生まれ持ったセンスのある人にしか書けないのか。と悩んでいる方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。

センスとは、生まれ持つものではありません。学んだり感じたりして磨いていくものです。本気でやりさえすれば、学歴だって全く問題ではありません。我々が挑戦しようとしているのは、そんな芸術の分野なんです。

何事にも基礎はあります。それは芸術の分野だって同じです。基礎を怠って自己流を追求したところで良い作品は生まれません。まずは、シナリオ作りの基礎をしっかりと理解した上で、自分なりの作風を追求してください。

これからシナリオを勉強する方のために、その基礎となる。シナリオの作法を、これから数回に分けて紹介していきたいと思います。




アイディアについて


前にも、言ったことがあるかもしれませんが、映像のシナリオはアイディア勝負なところがあります。他人が簡単に考えられないようなことを思いついてこそ、他人から関心を持ってもらえるのです。


……しかし、他人に思いつかないような発想が、自分にだけ簡単に思いつくはずもありません。


そのためには日頃から、日常で交わされる何気ない会話を意識して聞いてみたり、道行く人々を観察したりしてみてください。そして、そんな中で浮かんできた発想を、忘れないようにメモ帳に書き留めてください

僕自身、そんなアイディアノートをいつも何冊も持ち歩いています。そして、暇な時間にそれをパラパラっとめくっていきます。その中身は、たいていしょうもない内容で、書いたときには"絶対に面白い"と思っていても、数日後、改めて見てみると"なんだこれ、全然面白くないじゃん!"となることが殆どです。そうやってメモした数百のアイディアのうち、絶対に面白いと思えるシナリオを一つ選び、脚本にしていくのです。



面白かった事象。他の人に伝えたい想い。恐ろしいなと思った事件のニュース。などなど……。


なんでもいいんです。そんな事象の中から、今度は自分が伝えたいと思うテーマを探します。映画やドラマ、ドキュメンタリーなどジャンルにかかわらず、ほとんどすべての映像作品にはテーマが存在します。

そして、そのテーマが破綻すれば、作品はつまらないものになってしまいます。



まずは、自分が伝えたいテーマをたくさん考えて、その中から自分が一番作品にしたいと、創作意欲をかき立てるものを探しましょう。



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